電磁波によって小児白血病の発症率が高まるというショッキングな研究結果が、明らかになった。電磁波の発生源は、高圧送電線や家電製品など身の回りに無数といっていいほどある。どれくらい電磁波があふれているのか、街で測ってみた。
研究は、国立環境研究所が中心となって1999年から今年まで行われていたものだ、まだ、中間解析の段階だが、注目されるのは、電磁波の平均的な強さが0.4マイクロテスラ以上の生活環境で暮らす子供は、小児白血病の発症率が2倍以上に高まる傾向が認めらた、という点だ。
電磁波とは、空間を伝わる電界と磁界の波だ。送電線や家電など電気の流れのあるところから発生する。この研究で問題にされているのは、その電磁波の中でも波長の長い超低周波と呼ばれる領域で、マイクロテスラは磁界の強さを表す単位だ。脳への健康被害が議論となっている携帯電話から出る電磁波は、それよりも周波数の高い高周波で、今回の研究対象とは異なる。研究の動向などは後で触れるにして、まずは、超低周波の電磁波が、私たちの生活の場にどれくらいあるのか、市民団体「電磁波問題全国ネットワーク」 懸樋哲夫(かけひてつお)代表の協力で計測器を持って、日常の生活圏を歩いた(強い電磁波が出るシェーバーとドライヤー。長時間使うと問題かも)
「電力会社などから圧力がかかって、もっと高い数値になるといううわさもあっただけに、うれしいですね」 そう語る清水和子さん=埼玉県北本市在住=は2児の母。同市では小学校の子供たちが放課後を過ごす学童保育室が近くの高圧送電線から出る電磁波にさらされているとして、親たちが一致して自治体や東京電力と交渉。昨年4月、市立東小の学童保育室を送電線から離れた場所へ移転させることに成功した。その中心となった清水さんが安堵したのは、国立環境研究所と国立がんセンターが99年から実施している全国疫学調査で「日常生活での被爆する電磁波の平均値が0.4マイクロテスラを超えると、小児白血病の発生率が2倍以上になる」 との結果が出た?という全国紙の報道が相次いだからだ。
調査は、15歳未満の白血病の子供約350人について、室内の電磁波の測定はもちろんのこと、送電線までの距離や電気製品の使用状況まで調べ、健康な子供700人と比較するという大がかりなものだ。結果は世界保健機関(WHO)が来年中にまとめる新環境基準にも反映される。
この「0.4マイクロテスラ」 、従来からあるガウス単位に換算すれば、4ミリガウスという数値が、いかに衝撃的か、今回の調査対象は、携帯電話に使われるマイクロ波ではなく、送電線や家電製品から出る調低周波(50〜60ヘルツ)なのだが、「この超低周波については、90年代までに数ミリガウスでもがんを増加させるとの報告がいくつも出た。にもかかわらず電力会社側は、15年前のWHOの報告書に一見解として記載されているにすぎない『5万ミリガウス』という数値を、さも鑑定した安全基準であるかのようにふりかざし、電磁波は安全だと言い張ってきた」(電磁波問題ネットワーク『ガウスネット』(懸樋哲夫事務局長)それが実は、わずか1万分の1に満たないレベルでも小児白血病を倍増させるというから驚かされる。世界に目を向ければ、すでにスウェーデンでは学校や幼稚園のそばから送電線を撤去し始めており、アメリカでも自治体や電力会社が厳しい規制値を打ち出す例が増えている。WHOも昨年、超低周波に発がん性がある可能性を認めた。これまで「タレ流し状態」 だった日本も、今回の調査でようやく論争に終止符が打たれそうだ。電力業界にもちろん、「有害である証拠はない」との立場を取ってきた国、何の規制値も持たない電気メーカーも、対応を迫られるのは間違いない。「2ミリガウスでも小児白血病は増加するという報告もあり、4ミリガウスは決して「それ以下なら安心」というレベルではない。少なくとも新たに送電線を設置する場合には、「慎重なる回避」の原則に立ち、周辺の住居や施設の規制値を2ミリガウス以下とするべきです。(懸樋哲夫事務局長)

東京タワー周辺で電磁波の強度が高い数値に達している、という調査結果を市民団体が明らかにした。それによると、タワー中心から約300mの交差点では、1平cm当りの電力密度が101.69μwだった。
イタリア(10μw以上は健康に有害とし99年から法規制を実施)や中国では違法とされる数値に相当する
世界保健機構(WHO)の翼下の国際ガン研究機関(IARC)は、高圧電線や電化製品などから出る電磁波のうち、電磁界が「発がん性の可能性がある」と発表した。WHOは1996年から10年計画で「国際電磁波プロジェクト」お進めており、IARCの見解を受け、WHOは各国政府や電力業界に「予防的な対策」として
(1)住民に十分な情報を提供する、
(2)被爆を減らす安全で低コストの対策、
(3)健康リスクの研究推進などを講ずるよう伝えた。
国立環境研究所は高圧電線や家電製品から出る電磁波が健康に影響を与えるかどうかの問題で細胞を使った実験をし、ガン抑制作用を持つ「メラトニン」が磁界によって働きを阻害されるという結果を得た。
携帯電話使用による電磁波で健康被害に遭ったとして米国の患者らが、携帯電話関連企業を相手に、巨額の損害賠償を求めた集団訴訟を20日までにニューヨーク州 などの裁判所に起こした。携帯電話の電磁波をめぐる大規模な集団訴訟はこれが初めて。
損害賠償請求額は明らかではないが、懲罰的賠償を含め計数十億ドルに上るといわれる。被告には、米国NEC、米国ソニー・エレクトロニクス、北米三洋電機、米国松下電器の日系企業4社他、米地域通信最大手のベライゾン・コミュニケーションズ、長距離・国際通信スプリントの携帯電話部門スプリントPCS、AT&Tなどの通信会社やモトローラ、ノキアなど。訴えによると、携帯電話の電磁波の悪影響は、頭部から携帯電話を離して使用できるヘッドホンを使えばかなり減らすことができることを企業側は何年も前から知っていたと主張。
東京都墨田区の両国国技館の近くで、NTTドコモなどが計画している高さ200メートルの通信用タワー建設に対し、住民の反対が高まっている。
塔が発する電磁波が健康に影響すると懸念されるためで、9千人の反対署名を集め、都の紛争処理委員会への申し立ても検討中だ。携帯電話の爆発的な普及に伴って、各地で中継用電波塔の建設が進むが、反対運動は全国で50カ所以上にのぼるとみられ、計画撤退の例もある。
アメリカでは「脳腫瘍」で訴訟、イギリスでは「16才以下」は使用禁止、スウェーデン、ノルウェーでは長電話で頭痛報告 ― なぜ欧米と日本は、これほどスタンスが違うのか?
世界で初めての電磁波問題に関する国際会議がオーストリアのザルツブルグでこのほど開かれ、基地局から発信する高周波の合計総量を0.1マイクロワット/平方センチメートルにすべきと勧告する「ザルツブルグ宣言」が採択されました。 数値は周辺住民の健康影響を考慮した「予防原則」に基づくもので、日本の基準の1万分の1という厳しい数値です。
オーストリア州政府はこの決議を踏まえ、近く州議会で正式に基準として制定します。
携帯電話の使用で脳しゅようになったとして、米メリーランド州の神経学の専門家がモトローラ社などに対し8億ドルの損賠償を求める訴訟をボルティモア市巡回裁判所に起こしたことが3日、わかった。ロイター通信によると、訴えたのはクリストファー・ニューマンさん(41)。
数年前から携帯電話を使用した結果、脳しゅようになったと主張。 電話会社やメーカーは、がんの原因になり得る電波を出すことを消費者に知らせなかったとして、補償的損害賠償金1億ドルに加え懲罰的損害賠償金7億ドルの支払いを求めた。